介護用品のニュース
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俳個センサーもダメ、二重ロックもダメ、安全のための夜光たすきもダメ、と打つ手打つ手が失敗し、どうしょうかなと考えていた頃、俳個はだんだん激しさを増してきたのでした。
12月に入ったある日、事務所にやってきました。
「今日はどこにも出る予定がないので無理です」と答えると、「わかった」とあっさり事務所のドアを閉めて帰って行ってしまいした。
そんなAさんを見て、外に出たい時は事務所に来てくれたらクルマで送って行って、家にいるおばあさんの協力を得る、というこれまでにとってきた方法に頼らない成果が出てきたと喜んでいました。
Aさんが言った「わかった」の本当の意味は、今日はいつものように送ってくれないということがわかった、ということだ、ったのです。
きたのは、私が対応策に自己満足してから30分しか経っていませんでした。
当然、さあこれからと思っていた私の自信もガタガタと崩れたのですが、「負けへんで」という気持ちのほうがこの時はまだ強く、テクテクと歩いているAさんを自動車で迎えに行き、そのままAさんの要望通り自宅まで送っていったのでした。
昼食後に迎えに行くと、いいのだ。
俳佃の抑制とひき替えに人格が変わってしまうような薬を飲んでもらうより、介護の工夫で対応するのが一番いいのだ」と、まだ甘い考えを持っていたのでした。
今こうしてAさんへの対応を振り返って見て思うことは、なぜここまでAさんの要望に応え続けて、俳回を抑制する向精神薬の処方を嘱託医に相談しなかったのかということです。
薬は人間を変えてしまいます。
今まで何人が1人の人間ではなく、介護しやすい生き物になってしまったことか。
医師にちょっと相談すれば、「薬出しときます」とすぐに薬を出される。
対応策のヒントを求めて痴呆診断センターに行けば、いろいろと検査をした末に「今まで見たことのないほど脳が萎縮しています。
これで生きているのが不思議なくらいです。
CTスキャンで見ると小さい梗塞が多くあります。
脳も少し萎縮しています。
効くかどうかわからないですが」と、ここでも薬です。
私たちが求めていることはそんなことじゃないはずだ、と思いながら、結局薬を持って帰って飲ませてしまうことがいったい何回あっただろう。
老人介護の専門家としてプロ意識を持つと言いながら、結局行き着くところは、薬しかなかったという過去にどこかで決別したい。
そういう気持ちがAさんの対応策に出ていたのかもしれません。
月1回、近くにある公立病院の痴呆診断センターでは、神経内科医師と精神相談員との処遇困難事例の相談会があったので、問題行動を抑制する薬を処方してもらうことは容易なことでした。
パンという睡眠障害改善剤だけが出ていて、その後アモパンに代えてユーロジンという睡眠剤が出されていました。
これらの薬は、深夜の薬でした。
よく考えてみるとAさんの就寝時間は夕食後のなるのです。
十分睡眠時聞は取れているのに、睡眠剤が出ていたのはなぜでしょうか。
それは職員の目、つまりAさんの生活のとらえ方がピンボケだったのです。
睡眠時聞が足りているかどうかなど指を折っていけば誰でもわかるはずなのです。
もっと遅くまで眠っていて欲しい、そんな深夜に起きてゴソゴソしないでほしい、職員が一番少ない夜間帯は薬で眠ってもらうのは仕方ないというような願望、妥協、介護の限界などが形を変え、小さいけれど人を別人に変えてしまう薬として使われているのではないでしょうか。
痴呆老人に限らず、ホームで暮らす老人の生活を左右するものは、結局のところ、職員1人ひとりなのです。
向精神薬を使用して介護していることをみんなで恥じるべきなのです。
薬の誘惑に職員が勝つことが、痴呆老人をして真の生活を取り戻す第一歩なのです。
落ち着きを見せかけていたAさんに異変が起きました。
介護記録には、それからしばらくの聞の、落ち着かない様子が残されています。
たらず、自動車で捜索に出でたところ、自宅方面の道路を自転車で走るAさんを発見して連れて帰りました。
自転車はどこかに置いてあったのを無断で使用したらしい。
出ていった理由を聞くと、「俳句の参考資料を取りに家に帰ろうと,思って」ということでした。
その翌日、朝早くから何度も外に出るため、他の人の病院受診のついでに自宅まで送ると、俳句集を持ってすぐに出てきたため園に帰りました。
18日の昼食後、何度も外に出るので職員が一緒について行くと、自動車に手を上げて、ヒッチハイクをしようとするので、自宅まで送って行く。
あいにくおばあさんは留守で、カギが玄関にかかっていたためすぐに帰る。
帰ってきても圏内の俳個がひどく、他の居室にも入り、外に出る場所を捜している。
午後6時頃長男が送って帰って来る。
出られる所を捜しているため、おばあさんに電話をして午前10時頃に自宅に送って行く。
I与謝の園には帰らん、家に泊まる」と言っていたが、正月には迎えに行くからと説得され、夕食前に長男の車で帰ってくる。
説得されていやいや帰ってきたため、夜になっても圏内の俳個がひどく、いらいらしているのかタバコを頻繁に喫いたがる。
俳個を抑制すると興奮がひどくなると思い、様子を見ていると他の居室に入り、戸を開けて外に出たので連れて帰り、少し寝てもらう。
午前3時頃から5時頃まで眠るが、その後は出口を捜してうろうろする。
なんとか朝食で気をそらすが、どうしても家に帰ると興奮し、手を上げるようになったため、職員が一緒について外に出る。
興奮していて連れて帰るのは無理な様子なので、1日早い自宅への外泊をおばあさんにお願いして自宅へ送る。
このように、年末に近づくにつれてAさんの俳佃というか、自宅へ帰りたいという欲求が強くなり、24時間Aさんの行動を見張る日々が続いていたのでした。
長男を交えての話し合いを、12月29日、Aさんを自宅に送って行った時にもちました。
今から思えば、遅かったという気がします。
に勤めていて、生計の中心者でした。
日中に会ってゆっくり話す機会がなく、いろいろな相談はすべておばあさんとしていました。
俳個、行方不明、奇行などの尻拭いをずっとしてきていたため、Aさんには大変きびしく当たり、Aさんも長男の言うことはきくという関係のようでした。
痴呆老人の介護をうまくやっていく方法のひとつとして、家族の協力を得ながら精神安定を図り、問題行動を軽減させるという方法があります。
今は痴呆老人に限らず、家族との共同作業でより良い介護を目指すということは周知のことですが、重度な痴呆で問題行動をする老人の介護に家族が協力するのは、大変難しいことなのです。
なぜなら、施設内での問題行動について家族に相談をすると、たいていの家族は、迷惑をかけているとか、やっかい者になっていると思ってしまうのです。
施設からの話をマイナス思考で受け止めて、話し方にどんなに配慮をしても、退園を促されているように思われるのです。
ましてや正義感、罪悪感の強い家族の場合には、問題行動の相談や報告などが本人への暴力や必要以上の注意をうながし、面会に来なくなるというような現象を引き起こしてしまうのです。
かかわらず、長男との話し合いをしてこなかったのは、長男がAさんに対して威圧的であり、言葉や行動でAさんを抑圧するタイプだったからです。
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